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Reference35開発ストーリー①・序章

【写真】構想段階で試作したプロトタイプの一部。コンデンサーの種類、銘柄、容量など、幅広い条件で実験。

 楽音倶楽部を起業して初めての製品は2020年発売の「YUKIMU Super Audio Accessory」ブランド「PNA-RCA01」でした。経緯などの詳細は当ブログなどでも紹介していますが、協業に至ったユキム社が主に据え置きタイプの海外ハイエンドブランドを中心に取り扱っていることから、端子タイプは接続性の面で相性の良いRCA端子タイプに決まりました。実際にもユキム社が音質改善効果を高く評価して製品化が決定し、後にアワードも多数受賞するなどして、第1号製品ながら販売数は4年で800台を超える成功を収めることができました。

 

 しかし実のところ、起業前からアイデアとして温めてきたのはφ3.5mmタイプでした。パナソニックでSH-UPX01を発売した後、その次の製品アイデアとしてφ3.5mmタイプを構想していました。2017年末の頃です。ユーザーが増えているポータブルオーディオの領域で、より幅広い方々にノイズ低減による高音質化を提案したいという想いがあったためです。既成のパーツを流用してプロトタイプを製作し、ポータブルオーディオプレーヤーと組み合わせてオーディオ評論家にも体験して貰ったところ、好意的なコメントを多数得て有用性を確信しました。

 

 そしてその後も色々なプロトタイプを製作して社内で提案活動を続けましたが、残念ながら商品化が実現する前に退職することなりました。2020年に楽音倶楽部を起業しましたが、その理由は、この「やり残したこのコンセプトの具現化」と言っても過言ではありません。。

 

実は、ユキム社に最初に提案したのもφ3.5mmタイプでした。しかし、先述のような経緯で、より汎用性が高いと思われるRCAタイプで発売することになりました。

 

φ3.5mmタイプにこだわりを持ちつつも直ぐに製品化に至らなかったのは、起業から間もない時期にリスクを避けたかったこともありますが、「PNA-RCA01」の開発に集中していたことと、その好評から続いてUSBタイプの「PNA-USB01」の開発に着手することになったのも理由です。

 

こうした紆余曲折を経て、楽音倶楽部ブランド初の完成品となるφ3.5mmタイプの「Reference35」は、構想から約7年後にようやく実現しました。「Reference」には、φ3.5mmタイプで最上位かつ模範モデルとしての意を込めていますが、「楽音倶楽部」の原点としての「Reference」でもあります。

 

今後、このブログでは、開発検討の過程や製品の仕様および設計でこだわったポイントやエピソードを紹介して行きますので、お付き合い頂ければ幸いです。第2回「Reference35開発ストーリー②・初期の試作品と絞り込みの過程 」も公開しています。